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オレ流。


by Mazzan_tini
 賭博小説シリーズ第二弾はこれ。
 「牌九」というギャンブルの世界王者となった経験もある著者が、オーストラリアのカシノを舞台に大賭博を張る。美貌の女ディーラーとの勝負などコテコテで笑ってしまう部分もあるが、著者のギャンブルに対する薀蓄はさすが世界チャンプの言葉だけあって説得力がある。もっとも、著者の専門外である競馬に対しての考察だけはいただけないが。
 著者自身、オーストラリアのカシノを根城とする「常打ち賭人」。
 森巣の賭博に対するスタイルは至って明瞭で、通常はごくごく少額の、「見」同然の小博打を楽しみながら、いざ機をみれば一気に大勝負に出て畳み掛ける、いわばギャンブルのセオリーを実践しているに過ぎない。それでも、その「機」を見出す洞察力と、「機」を見出したときに実際に動ける豪胆さを兼ね備えている人間は意外に少なく、そのふたつをともに所持する者だけがいわゆる「勝ち組」となれるのだ。
 私は臆病だ、小物だと謙遜しているふりをしながら、実は周りの賭人たちを見下しているいやらしさ、傲慢さも、実際に「勝ち組」なのだから頷かざるをえず、知った風な口を叩いている若造ギャンブラー達の言とは違って何故か不快感を抱かない。文章も同じような言い回しの繰り返しで決して巧い部類ではないのだが、読ませるツボを押さえているあたり、そこは文章もプロ。森巣の文章は廃刊となってしまった「書斎の競馬」でも目にしたことがあったが、それもなかなか面白い物だったと記憶している。
 なんにせよ、この「牌九」と呼ばれる我々日本人には馴染みが薄い賭博を描いた小説というだけでも一読の価値はある。そして、この小説を読んで心が熱くなった者は洩れなく、既に賭博の世界の住人たる資格があるというものだ。
# by Mazzan_tini | 2005-03-17 22:51 | 書評
 約半年ぶりの書評更新。
 このページの読者層から考えてギャンブル好きが多いと思われるので、リスタート記念企画として、ギャンブル小説特集を組んでみようと思う。

 第一弾となるのは、麻雀小説の金字塔『麻雀放浪記』。私も実は映画でしか観たことがなかったが、この度読んでみてその余りの面白さに熱中してしまった。
 戦後間もない混乱期という舞台設定が独特の世界観を醸し出しており、ドサ健をはじめとする濃厚で魅力的なキャラクター造形とよくマッチしている。そしてこの圧倒的な世界観でラストまで読者を引きずりこんでしまうのだ。
 正直に言って、物語の要であるはずの麻雀の場面は単にイカサマの応酬であり、駆け引きが格別に秀逸であるのでもない。ただ、やはり麻雀漫画の白眉である『哭きの竜』同様に、実際のところ麻雀そのものの持つゲーム性というのは、実はそれほど重要ではないのかもしれない。そちらを楽しみたい人は、小説や漫画に頼らずに素直に卓を囲めばよいだけのことだ。麻雀小説では、その小説的世界を楽しむのが本筋で、『麻雀放浪記』はその小説的世界が非常に魅力溢れるものになっているのだ。
 といっても抜群に面白いのは第一巻の「青春編」だけで、その後は主人公である坊や哲も嘆いているように、戦後の混乱期から抜け出した舞台ではドサ健や哲のハングリーな戦いが空回りして外の景色とマッチしなくなってしまっている。

 ヒットした小説の映画化としては珍しく、真田広之主演の映画も相当面白い出来になっているので、活字が苦手という人にはそちらのほうもお薦めしておきたい。
# by Mazzan_tini | 2005-03-14 16:16 | 書評

3/12-13 レース回顧

●フィリーズレビュー(阪神芝1400)
 先行すると思われた内のキャントンガールやカシマフラワーが外から被されて行けないほどの厳しい流れ。「魔の桜花賞ペース」の予行演習ともいえる中身の濃いレースだった。
 早めに動いたディアデラノビアが坂で失速したきついレースを、じっと中団待機してさらに追い出しまで我慢した福永のファインプレー。今は本当によく乗れている。単勝1倍台に支持されたラインクラフトの順当勝ちとなったが、人気ほど実力が抜けているわけではないだろう。本番でも当然争覇圏の一頭だが、決して安泰とはいえない。
 厳しい流れを先行して残ったデアリングハートとエアメサイアは素直に評価できる。ただ、デアリングも成績を見ると1400までか。1ハロン伸びるのはプラスには働かないだろう。エアメサイアはマイルを中心に使われていたことが最後の伸びにつながった。が、これと言った決め手もないだけに本番でも複勝圏が精一杯か。
 ジェダイトはデムーロが強引に乗りすぎた。今日の展開と枠を考慮すれば、もう少しじっくり乗ったほうが良かったのではないか。もっとも、今日のような競馬がデムーロの持ち味ではあるのだが。

●クリスタルカップ(中山芝1200)
 朝日杯の内容を見ればディープサマーのこの条件での実力上位は動かしがたい。単勝1090円は美味しすぎだろう。
 圧倒的人気ながら3着に敗れたアイルラヴァゲインだが、実力の片鱗は見せた。出負けして包まれる不利がありながら最後まできっちり伸びて3着確保。ディープと同様、今日のメンツではこの2頭の力が抜けていた。今日は鞍上が糞すぎ。いつも思うのだが、善臣は不利を受けたときのアクションが大袈裟すぎる。いかにも「誰かのせいで不利を受けました」とアピールしているようで非常に不快。負けた言い訳はレースが終わってからすればよい。レース中はいかなる不利があろうとも、馬に負担を掛けずに勝利の可能性を追うのがプロというものではないのか。岡部がいなくなり、こんな奴がこれからでかい面をするようになるのかと思うと嫌になる。
 某K氏が言っていた通り、ダート路線の馬がいつも馬券に絡むレースのようで、コパノフウジンが2着。

●アネモネS(中山芝1600)
 例年同様薄いメンバー。アンブロワーズとペニーホイッスルの一騎打ちとみられたが、アンブロワーズは叩き台とは言え物足りない内容。道中もコーナーもとりたてて不利はなく、ロスなく乗ってマイネコンテッサに先着を許すようでは厳しい。外人or地方ジョッキーを乗せて早め先頭がこの馬のスタイルだろう。
 ペニーホイッスルは鞍上もミス無く乗って快勝。これで菜の花賞の1,2着がトライアルでともに1着。本番でも内目を引ければ上位に食い込む力はある。が、善臣では・・・

●ゆきやなぎ賞(阪神芝2200)
 幸が巧く先行させたイブキレボルシオンがようやく500万脱出。が、このズブさでは上に入っても相当苦労するだろう。距離はもっとあったほうがいい。といっても適鞍は青葉賞くらいしかないか。
 久々のインティライミも力は見せた。外目を捲って一旦は先頭に出る勢い。イブキの二枚腰に屈したが、次も当然勝ち負け。
 アドマイヤタカはどう考えても人気過剰。この馬のレースを見て1番人気に推せる連中は脳死状態としか思えない。

●3歳500万下(中山芝1800)
 平場ながら意外に上位はレベルが高かったレース。控える競馬で結果を出したドリーミーオペラは脚質に幅が出た。2着のグルメスメシャルも差は無く、上でやれる器。次は確勝。
 今日は積極的な競馬で3着に粘ったマイネルパイファルだが、上2頭とは力の差がある。人気に推されたユメロマンと同様、まだ500万レベル。

3/12の成績 投資13500 払戻4260 回収率31.6%
3/13の成績 投資18100 払戻35350 回収率195.3%
今年の成績 投資223100 払戻295990 回収率132.7%
# by Mazzan_tini | 2005-03-14 14:44

3/6-7 レース回顧

●弥生賞(中山芝2000)
 大器ディープインパクトが着差以上の強い競馬をしたのは事実だが、逆に死角も見えた一戦。中山で大外を一捲くりすれば、いかにディープといえども坂で脚が上がってしまうことがよくわかった。上がり33秒台を連発した京都の2戦と比べると、明らかにゴール前の脚色が鈍っていた。ゲートはいつも出負け気味なだけに、おそらく本番も今日のようなレースをせざるを得ないだろう。果たしてフルゲートで捲くり切れるかどうか、武豊の手綱捌きに注目したい。
 アドマイヤジャパンはノリが最高の騎乗をして2着。マイネルレコルトも後藤は巧く乗った。完全に力負け。他馬は論外。

●チューリップ賞(阪神芝1600)
 1200の2戦で素晴らしい競馬を続けてきたエイシンテンダーが内枠も利して快勝。同じくインを突いたオリエントチャームとの着差を見れば実力の確かさが窺える。一躍桜花賞の主役に躍り出たわけだが、この単勝は美味しすぎ。前2走のレースをしっかり見ていた人には取れる馬券。
 アドマイヤメガミにマイルは短いと思っていたが、池添の好騎乗。4角ではインを回り、直線で巧く外へ持っていった。長めを使っていたのが最後の伸びにつながったか。
 人気薄ダンツクインビーが3着に粘ったが、新馬ではなかなかの競馬を見せていた素材。追い込み2頭に人気が集中していたのも向いた。
 着外の馬で今後に期待を持たせたのはエリモファイナル。4角では大外を回るロスがありながら最後までしっかり伸びた。本来は前に行く器用さもあり、枠と立ち回り次第では本番でも台頭がありそうな存在とみた。

●黄梅賞(中山芝1600)
 この相手に1番枠なら勝って当然のサトノケンシロウ。直線では前が詰まったが、狭いところを怯まずに割って出た。ようやく軌道に乗ったか。OPでも相手次第で。

3/6の成績 投資10500 払戻2720 回収率25.9%
3/7の成績 投資15600 払戻7640 回収率49.0%
今年の成績 投資191500 払戻256380 回収率133.9%
# by Mazzan_tini | 2005-03-14 01:52

2/26-27 レース回顧

●アーリントンカップ(阪神芝1600)
 ビッグプラネットがスピードの違いを見せつけて快勝。スタートも抜群に速かったが、いったん後ろを引きつけてからの二の脚も優秀。この相手ではぬる過ぎた。母系からも短いところのほうがよさそう。

●きんせんか賞(中山芝1600)
 未勝利戦で優秀な内容を見せていたウェディングヒミコが力通りの勝ち。今日は内でノリがロスなく巧く乗ったが、直線に向いたときにややもたついたところを見ると距離はもう少し欲しい。
 ヴァーチュはなかなかスピード能力がある。ヒミコに交わされてからもしぶとく粘っており、次も見限れない。

●すみれS(阪神芝2200)
 ダンツキッチョウは山内には珍しく大事に使われている。それだけ期待が大きいのだろう。クラシックを狙うなら、この日の相手ならもっと離して勝ってほしいところだが、休み明けではこんなところか。

●水仙賞(中山芝2200)
 後藤の完璧なレース運びでコスモオースティンがようやくOP入り。この馬の二枚腰はやはり評価できる。OPに入っても相手次第では十分狙える。
 勝ち馬に巧く乗られたが、府中、中山と続けて結果を出したディーエスハリアー。ラストまでしっかり良い伸びを見せた。

2/26の成績 投資11300 払戻3800 回収率33.6%

今年の成績 投資165400 払戻246020 回収率148.7%
# by Mazzan_tini | 2005-03-14 00:44